根本さんのお顔を拝見するのは久しぶりでしたが、政治に対する熱心さと、真摯な態度が感じられて、当然のことではありますが、やはり尊敬に値する方だなと思いました。実際の年齢よりも年上に見えることも、年功を重んじる日本の風土においては損ではないのだなと思ったりした次第です。
さて、こういう会の面白いところは、一番真ん中にいるはずの根本さんは最初の5分位話しただけで、時間の大半は根本さんの派閥の領袖である細田さん(当選9回)にお話をいただくのに費やされたということです。
細田さんのお話は、たった今懸案となっている消費税の軽減税率の話から始まって、日本の社会保障の話に広がっていきました。そこで、日本という国全体の数字の話が沢山出てきて、いろいろと興味深かったので、この記事を書こうと思いました。(以下の内容は全てが細田さんの発言からの引用ではありません。私なりに計算したものも含まれています)
-------------------------------------------------------------------
消費税を5%から8%にあげて年間約8兆円の増税になった。
ちょうど原油価格が下落し、日本の原油輸入額が8兆円下がった。
これにより、日本経済は助けられた。
消費税1%=2.7兆円ということ
つまり日本の年間消費額は270兆円
国民一人あたり225万円ということになる。
消費税を8%から10%にあげると約5兆円の増税
食料品を全て軽減税率8%の対象にしてしまうと1.3兆円目減り
財務省は困ると言っている。
じゃあどうしてそんなにお金が必要なのかというと、社会保障費。
日本の社会保障費は年間130兆円に達している。
国民一人あたり100万円になる。
年金は55兆円。対象者が3000万人であり、一人あたり180万円
基礎年金21兆円+厚生年金などである。
厚生年金は当然だが、基礎年金についても、本来は保険料で賄うべきであるが、
過去に半分を国費で出すと決めたのでそうなっている(約10兆円)
医療費は40兆円。国民一人あたり30万円
これも国費で11兆円補填している。
介護保険でも5兆円国費で補填している。
というわけで社会保障費の国庫負担は今や30兆円である。
防衛費が5兆円、文教費も5兆円。単位が違う。
ガンなどの病気になっても、高額医療補助があるから、
誰でも最先端の医療が受けられる。
世界に冠たる社会保障制度になっている。
お金がないと治療が受けられないアメリカとは大違いだ。
長期債務は1100兆円。国民一人あたり900万円以上に達している。
-------------------------------------------------------------------
こんな感じで、たまには日本全体のお金の動きを俯瞰するのも悪くないなと思いました。
質疑応答になり、(よくあることですが)誰も質問しないという事態になり、(これもよくあることですが)仕方ないと手を上げた私は「社会保障費が日本の財政に与えている影響については過去からもずっと言われていることでもあり、自民党としてはいつか社会保障の切り下げについて国民に説明するべきではないか」と質問しました。
それに対して、細田さんから少し長めにいろいろなお話を頂いたのですが、ポイントとしては「高額医療補助の自己負担額を所得に応じて上下させるなど、政府としてはいろいろな対策を打っているが、なかなか簡単にいかないことが多い。日本の財政が崖っぷちに立っているのは事実であり、国会議員だと全体の共通認識になっていると思うが、国民の皆さんにどこまで共有されているか。あまり先行き暗いことばかり言っても、マンションを買う人が減っても困るし、日本の国債が売られるようなことになっても困るし」というような話でした(あくまでも私の理解した内容です)。
つまりですね。今日のこの1時間の会で私が痛感したことなのですが、社会保障のメリットは国民全体が享受している。年金ももらっている。病気になっても世界最先端の高度医療を少しの自己負担で受けることができる。寝たきりで意識がなくなっても最後の最後まで生命維持をして、それでいくらお金がかかっても自己負担額が少しである。このような世界最高の社会保障を国民全体で享受している。その代わりに日本政府の財政は火の車で、崖っぷちに立っている。当然政治家や官僚は全部分かっているが、誰も国民に厳しいことを言わないので、国民は素知らぬ顔でこれを享受していると。そういうことなのです。
こんなことでいいのでしょうかね?いい訳ないというのが私の意見です。
こんなぬるま湯のような社会は一回出なおしたほうがいいんじゃないかと思っています。
一方で、そういう状況の中でも、政治家の皆さんは私のように暴言を吐くんじゃなく、何とかしてうまく収めようと頑張っているんだなと痛感した次第です。
0 件のコメント :
コメントを投稿